むすひデビュウ

いやぁ、久しぶりにやられました。まるで少女のころに戻ったようなおののき...、常識をものともせず別の時空を歩む酒....。

前置きが長くなりましたが、今回のレポートは寺田本家さんの発芽玄米酒『むすひ』(むすびと読んでくださいね)です。

酒匠の講習で寺田本家さんの誤認娘、もとい(macって、ホントに日本語がへた)、五人娘は何度か飲んだことはありますが、泣く子も黙る『むすひ』は今回初体験heart04

注文すると、まず酒屋さんからモニター上に、『吹き出しの危険がありますので贈答には適しません..』云々の注意事項が表示されます。送られて来たパッケージの中にもさまざまな注意事項が記されていて、ほとんど放射性物質のガン治療薬なみ。酒もインフォームドコンセントが大事な時代です。

まぁ、発泡酒の抜栓キャリアの長い私のことですから、なんなく開栓に成功。シュワシュワとわき上がる炭酸ガスを眺めるとドブロクを初めて仕込んだ当時の思い出が蘇りやはり、胸がときめきます。

が、鼻を近づけてみるとなにやら、タバスコのような香り...?ひとくち口に含むとザワークラウトの上澄み液のような強烈な酸味、含み香にはよく手入れのされたぬか床の香り...と、じつに強烈ですが、どういうわけか後口はさっぱり、爽快です。低アルコールのせいでしょうか?

この酒は瓶ごとにかなり味の違う酒と噂は聴いていましたが、私の買った酒は瓶詰め後4か月くらい経った製品で、噂に聞いていた茸類や落ち葉、干した稲藁といった個性豊かな麹香、というよりは乳酸の特徴が際立った一瓶でした。

殿方は酸っぱいものが苦手な方が多いものですが、夫は『すっぱ〜いぃっっっっっっっ、でも,もう一杯!』と、まるで青汁の宣伝のようなセリフを吐きながら杯を重ねていました。これだけ生きた乳酸菌を取り入れたのだから、彼の明日の朝のお通じが見ものです(見たくないけど...)

今回の体験で、今まで挑戦しようしようと思っていた発芽玄米での麹づくりに。がぜんやる気が出て来ました。自分でやったらモット飲み頃の見極めも楽ですから、ここまで酸っぱくなる前のバランスのいい状態で飲めるかもしれません。今年こそ、本気で発芽玄米酒に挑戦します。

純粋に学術的興味ですから、税務署の方も大目に見てくださるでしょう、万一もし怒られたら、『酒をじゃなくてお酢を作ってる途中です!』と言い訳しよう..うん、うん。

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石鎚特純ひやおろし

全国各地にいろいろなおいしい穴子料理があるのは知っているのですが、明石生まれの私としましては、明石松江にある下村商店の焼き穴子http://www.anago.co.jp/の優位性を絶対、他に譲るわけには参りません。明石はしがない瀬戸内の一漁港にすぎませんが、下村の穴子は目上の方にお届けしてはずしたことがない、鉄板の手土産です。

さて、その下村製、小振りの穴子が4尾刺さった『子宝串』が、どういう天の思し召しか知りませんが一串わが家に伝来致しました。夫は添付された穴子丼のタレで素直に穴子丼、私はキュウリとワサビを添えた白焼き皿、切り落とした頭は豆腐とワカメのお澄ましの出汁にして食べましたが、一口食べただけでも天を仰ぎ、皿の前にアタマをすりつけて拝まずにはいられない美味heart04

酒は瀬戸内がらみで愛媛の石鎚のひやおろしにいたしました。

季節柄、今年の冷やおろしを既にいくつかチェックはしていますが、まだ若干時期がはやいというか、味のまとまりが欠けた製品が多い中で、石鎚の特別純米(麹米:備前雄町、掛米:松山三井)冷やおろしはコンパクトながらバランスの取れた味わいに仕上がっていると思います。

控えめながら和梨を思わせる心良い立ち香、締まりのいい酸を伴った旨味、ところどころにふっとクリーミーな米の気配がよぎる細やかな展開が穴子の上品な香ばしさと響き合って非常に快適。

たとえアナゴでなくとも、この時期白身魚の香ばしい一夜干しが手に入ったら、石鎚の特純(赤ラベル)冷やおろしをあわせて御覧になってください、ビールのCMじゃありませんけど家呑みをプレミアムにできる組み合わせです。

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酉与右衛門の超辛

関東は本格的に暑い,というか湿度が高くなって来ました。

昨日は遅出の日でしたので,泳ぐような湿度+雨の中、腹をくくって酒屋パトロールにでかけ日本酒だけで10種ほど買ってまいりました。もちろん女の細腕,足弱ではそんなに持って歩けませんから配送してもらうことにして,届くのを楽しみに待っていたら,朝っぱらから運送屋さんが『申し訳ありませ〜ン』といきなり泣き声で,インターホンを鳴らして来ました。

なんでも段ボールを思いっきり車の扉にぶつけたそうで,10本中4本がお亡くなり...今回は趣味用のハイエンドの酒ではなく店に入れる用の酒でしたので,まぁ,運送屋さんにとっては不幸中の幸いです。

無事だったものを取り合えず開封し味を見てみましたが,今回のヒットは『酉与右衛門』(よえもんと読みますが,漢字が出ないんですよね....。)の阿波山田錦70%精米の超辛純米無濾過生,直汲み原酒です。

火入れもいいから今度、飲んでみてちょうだい,とかかりつけの酒屋さんは言っています。が、ともかく、この生原酒について書くと,まだ微炭酸が残っているせいもあり軽快な酸味がまずきます。甘みを感じない,という意味では辛口ですがとげとげしさあるいはペラッとした感じはまったくありません。むしろ若いバナナのような爽やかな甘い香りがふっと後から戻ってくるので,軽快でありながらニュアンスもたのしめます。

夏の魚は脂も旨味もさっぱりしたものが多くなりますし,(またそれが瑞々しさにつながるのですが...)自家製冷や奴にもあいそうだし,生姜の聞いた銀あんを掛けたイワシつみれ揚げなんかもあいそうだなぁ..。


経日変化の具合を良く観察して店に出すのは生にするか火入れにするか考えようと思います。ちなみに,諸数値は、アルコール度17〜18°、日本酒度+13、アミノ酸度,1.7、酸度2.1、7号酵母使用です。

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魔の鶴、もとい、真野鶴

マッキントッシュにもともと入ってる日本語変換機能のおバカさ加減にはまったく毎回どっきりさせられます。

先日、かかりつけの酒屋さんから佐渡の真野鶴から出ている佐渡産五百万石を50%精米した夏限定の大吟醸生を紹介されました。裏ラベルによるとアルコール度18、日本酒度+2、アミノ酸1.3のロックや氷温でおいしく飲める濃醇タイプ、とのことです。普通の冷蔵温度ですと東一や、奥などとくらべるとどこが濃醇?と感じはするものの洋梨系の吟醸香がしますし、他の味の要素が少ないためしっとりとした甘さの余韻がたなびきます。基本的な味わいはシンプルなタイプですが、この甘さとアルコール感をボリュームと捉えると確かに濃ゆいので、この時期はやはりロックでさらにシャープさを補うとおいしく飲めます。生姜の搾り汁をほんの少し加えてロックで飲むと大人の冷し飴、といった風情です。

一方、同時期に開封した陸奥八仙の吟醸中汲みは16.5と言うアルコール度のせいか日本酒度0、アミノ酸1.6というボリュームにもかかわらず、メロンを思わせる瑞々しい吟醸香とキレは早さが相まって、すんなりした印象です。夏はアルコールの持つボリューム感が他の季節より大きく感じられるのかもしれません。

この陸奥八仙もロックにすると更に飲み易くなります。あかね屋にも近々登場しますのでお楽しみに。

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卯月のおすすめパート2

昨年四月から始めました今月のおすすめシリーズですが、振り返って見ますに、おかげさまをもちまして日本酒の売り上げはかなり上がっています。私自身があかね屋に入って丸2年くらいしか経ってないこともあり、お客さまのお好み&店の料理の旬、酒の回転率を攫みながらの試行錯誤で、これからもよりよいセレクト、ご提供をめざして進歩していく所存ではございますが、もうちょっと日本酒ファンの数字が安定多数を占めるまでは、もうしばらく下手の鉄砲数打ちゃあたる形式で、より多くの酒蔵の【華】をご紹介し、経験を積ませていただきたいと思っております。

そんな中で、私が定点観測的にご紹介し続けたいと思う酒の一つとして【墨盧江の純吟】ラインがあります。

ここは夏は五百万石、秋冬は山田錦、春は八反錦で純吟を出荷していますが、それぞれの原料の活かしかた、味の出しかたが季節を非常によく映して無理がありません。今日からこの八反錦純吟を店に出しました。秋冬の山田錦のクールな透明感に対して、かすかに霞が絡んだような穏やかな口当たりと食を刺激する柔らかな苦みが魅力です。大吟醸吟星40も封切りは閉じこもった印象でしたが香味がようやく開いてまいりました。残り少なくなってまいりましたので、飲みくらべて御覧になりたい方は早い者勝ちです。

あとは....とうとう、というか、やっと埼玉の秘宝【亀甲花菱】をご紹介する決心がつきました。ここはクラフトマンシップにあふれる手堅い仕事で、私が無濾過原酒ラヴァーになるきっかけを与えてくれた蔵でもあります。純吟の槽口直汲み、無濾過生原酒を当店ではご紹介させていただきますが、今年はこの数年の純吟の中でも最も穏やかでバランスの取れた味わいの気がします。

槽口直汲みですので封切り数日間は微炭酸を感じますが、舌がしびれるようなバリバリ感ではありません。炭酸が落ち着いてくるとしっとりした麹香、豊かな酸、原酒らしいボディ感が肉料理を大変おいしく引き立ててくれます。各種串もの、三元豚の香味焼きなどは組み合わせを思い浮かべるだけで...お腹が空いて来ます。一本しか買いませんでしたので次回同じものご紹介できる自信はありません。無濾過生原酒は赤ん坊と同じで毎日表情を変えます。それが愛おしい。「店にあるうちに毎日飲みにいらしてね♡」と言いたいところですがちょっと、はしたないでしょうか?

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関信越きき酒会

水曜日は埼玉で関信越きき酒会がありました。4時半からの開場でしたので、6時から仕事の私は駆け足でチェックしました。

【花陽浴】は、出始めのころのもっさりした華やかさがなくなり、生酛純吟などは引き締まったボディバランスに感じました。
【亀甲花菱】の純大吟、美山錦の純米、はいずれも手堅い造り。
【惣誉】の生酛純大吟、滑らかな口当たりにきれいな酸
【峰の白梅】店に置いてる純米は熟成香の絡んだコクのあるタイプだが、私は特本の「抜群」の方が滑らかなキレで軽快感があるので、この季節ならこちらを選ぶ。純吟はややもっさりした仕上がりか...
【吉乃川】純米ミルキーな含み香、くるみのような渋さをともなったオイリーな感触。
【麒麟】別選、すっきり、難なし。
【景虎】名水仕込み、酸は感じないもののすっきりとしたキレが手頃な感じ。
【雪中梅】特本、もっさりしたボディ感、まだざらつきが残る。
【スキー正宗】特本、さらりとした渋味と苦み、清涼感があるので夏向きか?
【加賀の井】きっちり締まったちょっと関西の酒を思わせる押しのある味、
【霧の塔】昨年の酒の陣で飲んだ純吟はちょっと面白い感じだったが、今年の生の製品はまだ湿り気を帯びた味で、ちょっと様子を見たい感じ。
【笹祝】越淡麗大吟50、潤いをたたえながらもさらりとした感触。酸は少ないが爽やかで高印象。

といった感じで、なんと言っても時間が足りなく、店に置いてる酒で私が今まで意識しなかった酒を再チェックするのがメインであんまり楽しんでばかりも居られなかったが、自分の体調&気候変化による嗜好の違いを一か月前の花山の試飲会の時と比較すると、前回が酒の渋味を再評価出来たのに対して、今回はなんだかライトボディでありながらしっとりした感触の、酸が控えめな酒のほうが印象に残りやすかった。

桜が咲き終わったこの時期は、何となく人間の体も脱皮したての蟹みたいにぶよぶよと脆弱な感じ(女性はそう感じる人が多いようです、男性はどうだか知りませんが...)になり易いので、酒の強度も日頃の嗜好から一二段控えめなタイプでちょうど良く感じるのかもしれない。

今までは、季節のおすすめの酒を選ぶにあたって、酒自体の完成度やインパクト、旬の食材との相性、冷やおろし!とか新酒!などの製造者側からのイベント、ぐらいしか参考に出来なかったが、季節の変化で身体になじみのいい酒の質感、も変化するという点をもっと意識しよう、とおもう。

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05年のシャブリ

昨日は関東はかなり暖かく、仕事が終わったあとなんだかワインが飲みたくなりました。
幸い手元にセギノボルデによるシャブリがありましたので開封しました。

先月同じ醸造家の同じ年の、一級畑のワインを飲みましたがこれはどうでしょうか?
http://ukoki.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/httppubnejpshim.html

今まで飲んだことのあるシャブリというのは黄緑がかると言うか、もうちょっと薄い色合いだったような気がしますし、味わいもシャープと言えば聞こえはよいですがもうちょっとペラ、ッとした酸味とミネラル感って言うんですか?エグミみたいなものを感じましたが、これは日本酒になれた人間から見るとかなり暖かい黄金色に見えます。香りも紅玉の甘煮みたいな暖かい印象。立ち香のきららかさはさすがに一級畑の方が格段に上手ですけど、こういう親しみやすくて健康的な香りもいいですね。

味わいは、まろやかだけど骨格のしっかりした酸を感じます。少し塩分を感じるような土地の香り、味わいが口から鼻を抜けてするりと巻き上がり、味わいはしっかりありつつ軽快な印象。

全体としては地に足の着いた率直、健康的なかんじで、陽のあたる場所に座っているような気分にさせてくれます。

と、これを書きながらボトルの裏書きを読みますに、このワインは樹齢20〜25年のぶどうの木の実で醸されたそうです。この樹齢が何を意味するのかよくわかりませんが、人間で言ったら30代、責任のある仕事を幾つかこなし始めてるお年頃でしょうか、思慮分別に満ち満ちた味わい..まではいかないけど、勢いと充実感は感じます。

食事を終えてから飲んだものですから、料理との相性はまだちょっと分かりません。でもワインだけ飲んでもおいしいねぇ、とニコニコしてしまえるような酒でした。

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奈良萬

四月のおすすめの最終候補の奈良萬純米:中垂れ無濾過生原酒を先ほどチェックしました。

すっきりと若々しい香り立ち、麹香というよりは果実を連想します。味わいのインパクトの強さは中、具体的には果実感あふれる酸味に微炭酸が絡まり、シンプルながら明快な印象。無濾過生原酒にしてはalc.17度と若干低めなので生原酒デビューの方にもよいのではないかと思います。

九平次の五百万石無濾過純吟の生を昨年末におすすめでお出ししましたが、あれより一段軽快な感じがあります。タイプ的には似ていますのでフライものなどと相性は良さそうですが、なにげに蕗味噌や、蕗の炊いたものなど春の味覚とも相性がよく、現代的な顔立ちだけどやっぱ日本の子だね、と思います。

当店のメニューに春野菜の天ぷらがあればいいのになぁ、たらの芽天はあるんですけどね...ウルイやコゴミ、蕗の薹、竹の子、菜の花にウド...の天ぷら盛り合わせなんて考えただけでおいしそうです。


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篠峯、凛々

篠峯の【凛々】は雄町使用の純吟無濾過生酒です。

先日、今年の2月製造のこれを開封し、あまりの堅さに「今飲んではもったいないから、手を付けないように」と新聞紙にくるみなおして冷蔵庫に入れておいたのに、今日こっそり新聞紙を開けたら減っている...こ、これは、熟成分が蒸発して減ったのか....?十日くらいでこんなに蒸発するものか?容疑者は割れているが、そこを追求するよりこれほど空気に触れてしまっている酒の救助のほうが大事です。

チェックしてみるとだいぶ味は乗ってきていましたが、これがベストな保存法だったかは自信が有りません。ちなみにわが家の冷蔵庫は4〜6度です。発見時には四合瓶の真ん中あたりまで減っていました。

まずは経過を報告します。

開封は3/20、開封直後の立ち香は非常に低く私は感じ取れませんでした。味わいのインパクトはやや弱く、複雑性はややシンプル、甘辛度は中辛口。具体的に言うと、炭酸ガスとアルコールの刺激の突出で辛く感じる。含み香に微かな油土臭を感じました。この油土臭は今醸造年度、西側の複数の蔵の無濾過生原酒系商品群で感じる今年特有の感触です。今年の西側の米の特徴なのかもしれませんが、火入れして、夏を越させるとどう化けるのか興味があります。

さて本日3/31、開封10日目ですが、立ち香は相変わらず非常に落ち着いています。ごく微かに酸を感じさせる香りがあります。味わいのインパクトは中、複雑性はややシンプル、甘辛度は中口。炭酸や、アルコールの突出感は収まり、しっとりとした甘みと酸が感じられるようになりました。開封時の油土臭も、軽いオイリーさに転調しています。

料理との相性で言うと、今日の料理の中では竹の子の丸焼きが出色でした。(皮ごとラップでくるみ4〜5分チンしておくと早く火が通ります)皮ごとコンロで焼いたものスライスして生醤油を振ったものに梅肉とわさびを添えるのですが、竹の子の微かなえぐみが酒にやや残る湿り気をマスキングし、オイリーな感触がいい感じで増幅されます。感触がなめらかになるのです。また梅肉の爽やかさが、この酒が本来調熟した時に発揮するであろうキリッとした感じを補ってくれました。生酒には、それぞれのステージ、季節で出会い物があるものですね。

というわけで、今回は夫の介入という不測の事態もあり善後策...といった感じになってしまいましたが、いろいろな要素を取りまとめますに、適切な保存法をすれば、ピリとした微炭酸と、穀物由来のオイリーなコクと涼しい酸が上手くバランスした酒になりそうなんですが、どうするのがいいのかなぁ?という感じです。普通の冷蔵庫で梅雨時まで保管するのがいいのか?いっそ氷温庫で年度をまたがせて見るか?酒屋をめぐって、経過をチェックしてみようと思います。

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篠峯:櫛羅

夕べは、19BYの篠峯櫛羅、純米無濾過生原酒を開栓しました。

自社田山田錦全量使用60%精米、alc.17〜18度,20年2月製造です。櫛羅は純吟の半年以上調熟されたものは飲んだことがありますが、純米のごく若いものは初体験です。

立ち香は非常に抑えめです。ごくごく弱い、細やかな泡の刺激を感じます。味のスケールはごくコンパクトなものですが、バランスがとれガサガサ、ペラペラした感じはありません。余韻は短いのですが軽快というよりも素直な感じです。

全体の印象としてはあくどさのない、華奢だけど弱々しい感じはしない、そういう酒に感じます。

無濾過生原酒でしかも当年もので飲ませるコンセプトで作られた酒は、良くもわるくもキャラが濃いと言うか、エッジのたった酒が多いのですが、この酒は「....ではない、」という反語を使って表現したくなる酒です。

料理との相性は、
エリンギのオリーブオイルあえと合わせると繊細な酸が煌めくようで◎。赤身肉の照り焼きとは山田錦らしい芯のしっかりした甘み、旨味が引き立ってこれも◎。チンゲンサイのクリーム煮(干し貝柱と干しえびの出汁)酒のボディ感が引き立つ。ハーブのサラダ(クレソン、アサツキ、マスタードリーフ、オゼイユ、レタスをオリーブ油でコートして、ちょっとだけ赤ワイン酢と塩を振ったもの)繊細なキレのよさが好バランス。といった感じで、やはりあくどさのない料理と合わせると響きがよくなります。

と、いうわけで、今のこの酒には物静かに控えているようで、自分の魅力を見せるべき相手を注意深く選んでいるような気配があり、春という初々しい季節に、このちょっと引っ込み思案な感触はとっても魅力的です。来年のこの時期にもまた試してみたい酒です。


実は、先日この蔵の【凛々】雄町使用の純吟無濾過生を開栓したのですが、「こ、これ雄町ですか〜?」というぐらいまだ堅い味わいで、これは今飲んではもったいなさすぎる..とあわてて栓をし新聞紙でくるんで冷蔵庫の奥にしまいました。封を切ってしまいましたから、うちの子の飲み頃はGWころでしょうか?管理のいいお店でなら夏頃がいいんじゃないでしょうか。多分、雄町でもキリッとした感触を残した仕上がりを見せてくれそうです。

後記:開封2日目の櫛羅、ソフトながらも涼しい酸が一貫して通る印象的な味わいになっている。きつい仕事のあとにはとてもおいしく感じる。これくらいになると揚げ物や、サラダなど洋風ものにも合う。純米生原酒でありながらこれほど浸透感のいい酒は珍しいと思う【根知】の限定酒と同じような触感だが、きれいな酸が立っているところが特徴的だ。

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篠峯:遊々無濾過生

市場には既に19BYの製品が出ていますが、私が購入しましたのは18BYの製品です。

【遊々】は奈良県産山田錦を使用した純米酒で、この年は70%精米でお造りになっています。昨年6月の瓶詰め&四合瓶で購入致しましたため、劣化&過熟してたらどうしよぉ〜と、内心びくびくでしたが、全然だいじょーぶでした。

立ち香は穏やかで落ち着いた穀物系の甘さと酸を感じます。口当たりも同じくしっとりした触感につづいて米由来の甘さと角の取れた酸味の影にごく微かな干しえびのような旨味が忍んでます。

全体の印象では穀物系の香りはありますが味わいは繊細、細身のボディに感じますので醇酒の中でもかなり軽いタイプだと思います。根菜類のソテーを添えた醤油味ベースのハンバーグなどと合わせてみたいなぁと思います。(と、いいながら今夜の味付けはデミグラス系...明日試してみます。)

生酒で今の時期このバランスのよさですから、逆に言ったら若い頃はちょっとおとなしすぎる酒だったのではないかと思います(お好みですが..)関東は、一昨年の米は溶け易くって、麹を堅く作って対応した蔵もあり、そういう蔵の酒はやはり生(原)酒でもまだまだいけます。奈良のお米はどうだったのでしょうか?

加水の生酒と原酒の生酒、どんな濾過を施したのか?やはり醸造酒は様々な要素が熟成にかかわってくるので奥が深いです。ワインの世界では、「偉大なワインがあるのではない、偉大な一瓶があるのだ」とか言うそうですね。日本酒の世界も、よい一瓶は、一期一会です。

後記:牛の赤身ステーキ(醤油、篠峯、みりん、ガーリックで味付け)人参、砂糖さやのグラッセ、ごぼうチップ、レンコンチッップ、30℃の燗酒だとスーと落ち着いた酸が一貫して通る酒になる。冷やだと開封3日であと口にややアルコール感が浮く。が、酸はありつつもごつごつした感じはないためこの微かなアルコールの苦み、清涼感が和の根菜類のチップスと非常に合う。肉のボリューム感ともバランス。やはり、どちらかと言うと華奢で、とっても和な個性の酒だと思う。

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篠峯山田錦純米超辛

ここのところ辛口酒をチェックするときアル添のよるのではない辛口酒をサンプルにとるようになりました。いわゆる完全発酵,と銘打った商品群です。

私が今まで飲んだ完全発酵バ〜ジョンで,「手練だねぇ」と思ったのは山形の上喜元純吟完全発酵です。発酵のすすんだ酒はどうしてもシャープ、ドライな印象が強くなります,飲み飽きしませんから,それはそれでいいんですけど、ホントにスーパードライな味わいをアルコールに求めるなら、発泡酒か、ビールを飲めば良いじゃないか,と単純な私は思ってしまうわけです。その点,上喜元純吟完全発酵は爽やかな吟醸香とスマートなきれが実際の糖分の少なさをカバーしていて見事でした。

今日は奈良の篠峯の山田錦純米超辛をチェックしてみました。

先日の亀齢の火入れにくらべると,無濾過生酒らしいしっとりとした口当たりですが,からりとしたアルコールの甘さが広がった後、シャープな酸,渋味の余韻がたなびき,「辛いねぇ」という印象を残します。ただごつごつした辛さではなく,あくまでも甘さがない,という意味での辛さです。酸がありますので亀齢に比べると余韻があるように感じますが,絶対量としては非常にコンパクトです。

この酒は生の青々しさを活かして,三つ葉、芹などの薬味をあしらったさっぱりした料理と組み合わせると繊細な中にも旨味や甘みが増幅されてよりおいしく感じるような気がします。時期的にも自然ですし。

辛口といっても、ただシャープ&ドライなだけでなく様々な質感をもつのが日本酒の魅力だとおもいます。


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高柿木、四種。

昨夜は、高柿木の純米無濾過生原酒を7〜14度で飲用致しました。

1)17BY山廃純米23号

色調は微かに黄緑がかって健全.立ち香は落ち着いていますが王林リンゴの香りとよく乾いた穀物の香りが溶け合って中程度の複雑さ.味わいの強さは中〜中強、複雑性は中強、粘性も中強、甘辛度はやや辛口。味わいは、ほくほくした穀物の香りとむっちりとした穀物のオイリーさが生酒らしい生命力を感じさせる.しなりのある透明な酸、熟成によるコクをともなった甘さがある。含み香はよく乾いた干し草、のような香りと微かに茸類を思わせる麹香もある。余韻は力強く、中〜中長。

全体の印象としては野性的な若々しさを残した壮年の男性、といった感じ。酒単品でも十分にその内面を語ってくれますが、料理と合わせると自在にニュアンスを変えてバックを守ってくれるコンビを組むのにとても心強い酒.醇酒の中でも、爽酒に近い分類に置こうと思います.


2)18BY山廃純米16号
色調は暖かみのある明るい黄色で健全.立ち香は低く穏やかな穀物香。複雑性は中程度。味わいのアタックは中、複雑性は中〜中強、濃淡は中、甘辛度はやや辛口.味わいは、中盤のソフトで膨らみのあるあまさと酸が特徴的。含み香は生姜の甘酢漬けを思わせるシャープなもの.この香りにすべての味わいが引き集められて爽やかに切れ上がっていく終盤は見事.余韻は短い.

全体の印象は穏やかで朗らか.引き際の暖かみと爽やかさが大人だねぇ....とおもわせるかっこよさ。これもどんな料理に合わせても余裕で確実なレシーブを返して来ます.この四種の中では夫も私もこれが一番気に入りました.ちょっと規格外になりますが、穀物系爽酒からはみ出して中〜中濃のあたりに分類したいと思います.

3)17BY生酛純米24号
色調はやや黄緑がかって健全.立ち香はごく弱いが、奥深い気配がある。味わいのアタックは中〜中強、複雑性は中、濃淡は中〜中強、甘辛度は中辛口。味わいはしっかりした穀物由来のコク、酸、をまず感じ、中盤は糖分の少なさと微かに残っている炭酸のためシャープな印象を受ける.含み香にはむっちり充実した穀物香と醪香。余韻はふっくらとした醪香が広がり中程度の長さ.

全体の印象は、物静かな腰の低さの奥に甘さを排した合理主義を感じます。この四種の中では味わいのしっかりした料理に対する適性が最もはっきりと現われましたので醇酒だと思います。が、1)よりボディはシャープ、余韻の感触はソフトな気がしますのでかなり爽酒に近い位置になりそうです.

4)18BY生酛純米17号
色調はやや黄緑がかって健全.立ち香はやや弱く複雑性は中〜中弱。味わいのアタックは中〜中弱、複雑性は中、濃淡は中〜中弱、甘辛度は中辛口。味わいはまず、3)より甘さを感じるシャープな酸と苦みを感じまだ若々しい.ほくほくした穀物の香り、むっちりとした穀物のオイリーさ、がここでも感じられる.含み香には引き締まった麹の香りがあり、余韻はこの四種の中では最も短くかつ、瑞々しい.

全体の印象は香り、味わいともに若々しく瑞々しい.蕪のナムルなど淡く優しい味わいのものと非常にバランスがよい.あかね屋にはやはりこれを入れます.

こうやって呑み比べますと、いずれも非常に魅力的です.醸造技術、保管管理の確かさ、酒質の強靭さに支えられて、稲の魅力、蒸し米の魅力、麹の魅力、醪の魅力、時間の魅力がそれぞれのボトルで刻々と展開していきます.一種類しか入れないのは惜しいような気がして来ました.2)の山廃16号もお許しが出れば入れるかもしれません.搾りたて生新酒のご紹介がしばらくつづきましたので、同じ生酒でも一段、二段練れた酒をお楽しみいただければと思います.

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月桂冠,すべて米の酒

このブログの左側の本棚のカテゴリーに「佐渡島の酒ブログ」が含まれていますがそこの管理人三節先生が月桂冠の純米酒について報告なさっていましたので,http://pub.ne.jp/shimazake/?entry_id=1186789私も呑んでみましたが,たしかに紙パック酒に対する認識を改めさせる酒だと思います.難がありません.本当です.

吟醸酒ではありませんが注ぎ口のプッチンを取ると明るく爽やかな香りがありました.二杯目にはもうありませんでしたけどしつこくクンクンすると,それでも柑橘類を思わせる要素はあります.
米の旨味につづいてほどよい酸味,いくらか古酒がブレンドされているらしくこおばしい熟成香味が後半せり上がってきますが,なんせアルコール度が14.5度、麹歩合が15%の水口タイプですからこれくらいないと締まりが効きません.切れ上がりも唐突ではなく次に料理やもう一口を誘う酸味がのこります。味の要素の強弱バランスがいいのでちぐはぐ,継ぎはぎした感じがありません.

印象としては味センスの良い喫茶店のブレンドコーヒーのように味の狙いが明確です。お家での日常の晩酌におすすめです.私としても今まで呑んだ数種の紙パック酒の中では出色,と思いました.

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芳水、小左衛門.風の森

今日は定休日です.お茶事も終わったことだし安心して酒屋パトロールに出かけられます.今日は尾久の伊勢元さんにいってきました。芳水と、小左衛門、風の森を買って帰りました.下見だけ...と思ってカートを持って行かなかったんですけどブツを見ると我慢が出来ません。一升瓶3本は重かったです.店も家も、駅から五分くらいなので我慢しましたが.....♪私ばかよね、おばかさんよね♪と思わず心の中で唱ってしまいました.


皆さんは徳島の芳水、というとどんなイメージをお持ちでしょうか?私は以前勤めていた店で、はせがわさん経由の大吟醸しか飲んだことがありませんでしたので、きれいで芳しくってちょっと粋で、はりのある酒、ってイメージでした.今日は店で今年の6号タンク無濾過生原酒のサンプルを飲ませてもらい、おぉ!!ッと思いました.スッピンでも美人なんですね。福井産五百万石純吟55%精米でした。6号の方がびしっと締まりつつも、ボディはほっそりしなやか、かぐわしさは健在、でしたが、まだ入荷していなかったので、もう一段若飲み出来るタイプの7号を買ってきました。

7号はシャープな麹香が印象的で、微炭酸のちりちり感はまだ残ってます。芳しく甘いアタックに続いて清冽な酸をともなった中〜後半はドライでシャープな展開です.それがぺらぺらした印象を与えないのは中低音にミルキーな米の風味が一貫して棚引いているためだと思います.それらがすぅ、っと浜辺に汐が引き込まれていくような感触で消えていき、私はこのようなキレ方を愛します.もう少し置くと吟醸香が際立つのかもしれませんが、今日の時点では麹香の方が強いので果実系のフレッシュ、ライトな爽酒に分類したいと思います.

【小左衛門】は山廃本醸造無濾過生、昨年の12月瓶詰めのものを買ってきました。この蔵は良くも悪くも相手の顔(色)を見た商売が出来る蔵のようですね.まず立ち香はほくほくとした蒸かしじゃが芋のような香りにミルキー&溶かしバターのような穏やかな香りが纏わります.私の経験では生酒ではなく生貯蔵酒(瓶詰め時に火入れ)にこのようなじゃがバター香を感じることが多いので、ちょっと意外です.

そして味わいがなんだかおもしろいのです。腰の据わった旨さとはまったく別種の、コラージュを見るようなおもしろさがあります.まず生酒らしいもろみの風味が来て、つづいて熟成酒によく見られる紹興酒のようなカラメルと酸を同時に感じる刺激があるんですが、刺激自体はあくまでも軽快です.口当たりは一貫してバターのように滑らか、きれはストン、と収まる感じです.まとめていうなら、味の要素のひとつひとつは時代がかってるんですけど、図像の質感はインクジェットプリンター、て感じです、現代っ子だねぇ..。私は穀物系の爽酒に分類します.

ご主人が「燗上がりするよ!」っておっしゃっていたので、あとで試してみます.


さて、今日の真打ちは【風の森 しぼり華】16BY 岡山産雄町 純吟無濾過生原酒。瓶詰めは昨年の11月です。

立ち香はごく落ち着いたバターを思わせる香り.はっきりと分類は出来ませんが奥深い気配は感じます.味わいは驚くべきことに細やかな炭酸味をまだ残しています.滑らかな酸、穏やかなもろみ香をともなった旨味、澄んでいる、と言うニュアンスで辛口と表現していいと思いますが決して刺々しい印象は与えません.この酒のキレ方も浸透系。

こういう古酒って現在の技術、設備だからこそ可能なあじわいですね。低温でならもう1.2年ねかすことも出来るんじゃないか、という期待感をいだかせます。これの分類は迷います.おちついてはいますが、可能性の方を大きく感じさせるあじわいだからです。今日の段階では、穀物&原料系の低めの香りの中程度の味わいの爽酒に分類しておきます.変化がちょっと楽しみな酒です。

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ナイトキャップ

酔右衛門美山錦特純を燗につけてみました.

誰かが、え”〜、という顔をしそうな気もするけど....悪くない...不思議なかんじだけど、わるくない。

35度、フルーティでシャープな酸がより膨らみ、炭酸も冷やよりはっきりかんじます。
45度、澄んでマイルドな口当たり、プチプチとした炭酸味、この感じは....と記憶を辿るとホットワインなんですね。酔右衛門は、熟成が進むと独特のオイリーな感触が出てきてちょっと洋風な印象を持たせますが、これもそんな感じですね.なんかちょっと得した気分.

燗冷ましは、冷やではちょっとがたつき気味だったアルコール分がよくとけ込んで、これもいいバランスです.燗酒に抵抗がある方にはこっちの方が親しみやすいかも....。

多分、常温保存もOKの生酒なんでしょうね。でもこの不思議な発泡燗酒をしばらく楽しみたいから、うちは冷蔵保存でいきます。


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冬華、酔右衛門、辻善

茶の稽古、パン焼き、茶の稽古、お昼ご飯、洗濯、茶の稽古、掃除、茶の稽古、夕ご飯、メジャー&電脳コイル、茶の稽古、酒チェック。このあと茶の稽古がつづく...

本日は、冬華を指標軸に、酔右衛門:自家田美山錦特純無濾過生と辻善純大吟槽口直汲みのチェックです.店に入れる予定の品ではなくまるっきり個人的趣味です。

【冬華】は生詰めですので一回火入れはなされているはずですが、きりっと締まった麹の香りが微かに残っています.とはいえ他の二種と比較してみると、穏やかでミルキーな香り、またはふっくらとした穀物の要素の方が強いです.味わいのアタック、複雑性、味の濃淡、甘辛度すべて、中程度と捉えていいと思います.北欧モダン、ナチュラル、安定感といった言葉が浮かびます.余韻の複雑さ、長さはこの三種の中では最もありますが、爽酒の範疇に留めてよいとおもいます。

【酔右衛門:自家田美山錦特純】自家田産美山錦、100%、50%精米、alc.17〜18、日本酒度+5、アミノ酸1.3、酸1.9、7号酵母、醪日数24日。は、からりとした有平糖を思わせる甘い香り、微かにバナナのような香りもあります.口に含んだとたんきりっとした酸味と炭酸の刺激が舌を打ち、アルコールによるしなりのある甘さが続きます.アタックははっきりしていますが、味の要素はそれほど複雑ではありません、アルコール度は冬華とほぼ同じですが余韻はこちらのほうがわずかに短く、強さを感じます.それだけ若々しい、ということでしょう。

後記:2/16
40度の燗、滑らかで澄んだ口当たり、穏やかな香り、バナナの香り、蒸し米のむっちり感、オイリーさがミックスした含み香、素直な米の甘さとすんなりとした酸味がたなびき、若々しい苦みでおわる。
味わい、やや淡麗〜中、香りは穀物系の1、の爽酒

サンチュ、エゴマ、青唐辛子、などの青々しい香りにごま油の効いたタレをつけた焼き肉を包んで食べると、香味がばっちりかみ合う。カンン国料理は塩分がきついことが多いのでつい濁酒をあわせたくなるが、むっちりとした生酒をあわせるととてもモダンな感じがする。あとは、口当たりの滑らかさと食欲を刺激する程よい酸味、キレの若々しいドライ感を活かして、タン塩焼き肉、蕗の薹の天ぷら、カキフライの腸の苦み、などか...。

【辻善:純大吟】酒屋さんがまだ堅い、とおっしゃってましたので、どんだけぇ〜とおそるおそる鼻を近づけてみましたら、ぱちっとはじける炭酸に鼻をはたかれました.ごく控えめな桃やポンカンを思わせる香りがします。口に含むと、はじけのよい甘さが細かい泡といっしょにさぁっと散っていきます.キレはドライ、というか軽快、跡形もありません.この三種の中では一番余韻とボディが短く、軽いです。

私は辻さんの【雄町純吟槽口】のファンでここ何年もシーズンがくるのを心待ちにしているのですが、あの、甘さを切ったフレッシュドライ&旨口も【世は満足】の堂々とした香味もいいけど、私はこのポッと花開いたような可憐な味わいも、無口で着実な辻さんが時折みせるラブリ〜さとかぶって好感が持てます.(勝手な思い込み?)とってもいいかんじ。おねぇさま達の♡わしづかみ!ぢゃないでせふか?

思えば、あかね屋で昨年春先から始めた今月おすすめの酒シリーズの第一弾が、辻さんの雄町純吟槽口でした。微炭酸生酒初体験のお客さんが多くて、「まずくはない、」とかいいながら複雑な顔をなさるお客さん続出だったんですよね、今年のこれ飲ませたらどんな顔なさるかなぁ...やっぱり四月は辻善で決まりでしょ!と、もう心に決めてしまいました.

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かわいいBIO臭

昨日に引き続き、小布施ワイナリーのワインについて報告します。

今夜は白、シャルドネ2006ムラサキヴィンヤードです。自社農園にてシャルドネを減農薬、草生栽培し、樽発酵、無清澄、樽からの直接生詰めしたものです。

封を切ったとたん、思いがけない香りがたちました。蒸した暖かい栗のような、もわっとした香りです。???と思っていると、『ああ、還元臭ですね、ビオワインによくある香りですけど、これはかわいいほうのビオ臭です。』と、解説者。

味わいは瑞々しい、というよりは潤いに満ちた感じです。酸はしっかりしてます。あくどさはまったくないです。小作りな顔立ちの皮膚のきれいな子、といった印象です。確かにワインなんですけど,とてもasia...いえ、はっきりいえば『和』な印象。う〜ん『日本らしい味』の酒...へたな清酒以上に、和を感じます。

解説者によると、bioワインのすごいところは、開封してからも味がへたりにくい、ということだそうで、確かにこれを書いているのは開封二日めですが、モワ、ッとした香りが飛んでかわりに若いブランデーあるいはプルーンのような濃縮感と酸を同時に感じさせる立ち香、ふくみ香にはかすかに白檀の気配があります。感触の素直さがよりストレートに伝わってきます。

味わいは素直な酸、潤いに満ちた酸が印象的です。
脂っこいものをガ〜ッと流し去るようなパワフルな酸ではなくて、何か、響きあうものを求めるような、親和的な酸です。ワインとサラダは相性の悪いもの、ってよく言われます。ドレッシングの酸がワインのニュアンスを吹き飛ばしてしまうからだそうです。でも、私はこのワインの酸味の奥に隠れているほかの味わいを引っ張りだすにはコントラストを使う方がよいような気がしましたので、牛筋おでんにいつもならゆず胡椒を添えるところ、たたき梅に変えてワインに合わせてみました。

ワインのなかのプルーン的要素と梅の香りはなじみがいいです。また梅の塩気はワインのなかの甘さを引き立て、牛筋のとろけるような甘さをワインの酸味が流し去るので、いい線いってる気はします。
でも、もうあと一押し、何かが要る、なんだろうなぁ?っと思って試すすがめつやってるところで、ワインがきれてしまいました。一升瓶のタイムスパンに慣れてるもんですから、720㎖だと調子が狂います。この課題を抱えたまま、しばらく暮らすはめになりそうです。

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若木の葡萄酒

小布施ワイナリーの日本酒に感動したので、本職のワインももちろん確認しなくては、と思い2本取り寄せてみました。赤がドメーヌソガ2005ピノノワール 2e、白がドメーヌソガ2006シャルドネ ムラサキヴィンヤードです。

私はワインの体験量は少ないのでまるっきりド知ろーと(おお!そうか、素人というのは知ろーとしてる途上の人という面もありますね)の感想しか出せないのですが、私なりの印象と、手当をご報告します。

今日は赤の方からいきます、まず色合いは薄いとおもいます。味わいは色と同じくらいの濃縮感です。2eということもあり、ぶどうの木自体がとても若いせいもあるだろう、と同席者は言っていました。はっきりいってしまえば薄いのですが、ペラッとした触感ではなく、ブドウの皮の渋みとか、酸が生真面目な感じで屹立してる感じです。まだ骨格も華奢で寝かせたら化ける、というようなしたたかさは感じません。白胡椒、カルダモン、コリアンダー、茴香、といったピリッと清涼感のあるスパイシーさを感じます。

さて、ここからサービス業者の視点になります。どうしたらこの子の足りないところを補い、今の魅力を引き出してやれるのでしょうか?

枝ものを活ける時に「ガラスの花器をつかってはいけない、枝の切り口が痛々しく見えるから」と、よく言われます。そこで、私はワイングラスをやめて、ビール用の焼き物のコップに変えてみました。いいかんじです。色に引っ張られなくなるので薄さが気にならなくなります。洗いざらしの麻を思わせる潔くさっくり、さわさわした感触が素直に生きてくるようです。

料理はどうでしょうか?いくらか油分を補った方が良さそうな味わいですが、ごついバターやクリームを受け止められるほどボディはないようなので、植物性の油分を添えることにしました。プチトマトとタマネギをワインとスープで軽く煮詰めたソースの中で温めた牛のすね肉(インゲンとエリンギ入り)と合わせてみました。つけあわせはエンダイブにフライドガーリック、オニオン、くるみ、を混ぜ込んで、パルメザンチーズと塩、オリーブ油だけで味付けしたサラダです。

結果から言うと、クルミの油分はとてもいい感じです。さらっと煮詰めたトマトソースの酸味とあわせても酸が浮くことはなく、瑞々しいタンニン(っていたら変かも知れませんが...)の程よい渋さが全体の味わいに陰影をつけてくれます。好みでトマトソースの中に油脂分の軽いクリームをちょっと入れてもいかもしれません。

こうしてたのしい実験を終えて考えますに、若木の葡萄酒には、やっぱり若木なりの楽しみ方が見つかるもんだな、とおもいます。若くても大地に裸足で立ってる子、という気がしました。

消費者は好き嫌いでものを裁く人種ですが、サービス業者はね、関係の糸口を見つけ出し、育てる人種なんです。

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夫の言うことには,「男とは酒そのもの」だそうです。

そこそこ名の知れた某関西系の純吟を買いました.カラメルのような熟成した立ち香,ふわっと間の抜けたマシマロを思わせる含み香、甘さ,苦さの粒子がざらざらと舌をさするような口当たり&スパンッと早い切れ上がり.燗に付けても安っぽいまとまりに落ち着くばかりという,香りと味わいと質感がまったく響きあわない.斬新な組み合わせの酒で,一応冷蔵庫の中に入れてありますが料理酒として使っておりました.

ところが,ゆうべ夫が,サツマイモと小豆の炊きあわせ(自分で作っておきながら,これも実をいうとあんまり好きな料理じゃないんです)に、この酒をあわせていたのですが,合うんですね〜これが.

芋や小豆のポクポク感が酒の口当たりを中和するのか,滑らかな咽越しで程よいキレを感じます.隠し味の醤油と酒の熟成香のバランスも程よく,なんか言葉は悪いですけど,毒を持って毒を制するというか,敵の敵は味方,っていうか,酒と男はつかいよう...そんなかんじがしました。

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牛肉と松の司

9月の末に竜王町に行って、松の司ひやおろしを買いました.
10月のおすすめ候補に!と勇んで封を切りましたが、あまりの堅さにノックアウトされ、開けなかったことにしよう.買わなかったことにしよう、と店長にも試飲させず、「これで飲んだらもったいないから、君はいっさい指を触れてはならん、」と、夫に厳命もし、冷蔵庫(4℃)に仕舞い直して、自分だけ一週間に一回ずつくらいチェックをつづけましたが、びくともしません。一ヶ月半は経った先週末、.室温も下がってきたことだし(22℃)、と思い切って3日常温保存に切り替えてみました.そしたら、あ〜らすてき、メロン、バナナをミックスしたような香り、滑らかな口当たり、緊張感のある酸味、そうそう、松の司はこうでなくっちゃ、という大変身です.まだ後口にかすかな渋みが残りますが、これでまた冷蔵に切り替えてしばらく楽しみます.

十分に花開いた松の司は、牛肉に合うんです.

近江八幡のレストランで岩塩やわさびを添えたステーキで確認済みです.インターナショナルワインチャレンジで好成績を収めたのもこのキャラ有ってのことではないかと思います.タンニンを含んだワインを合わせるのとはまた違った、穏やかで、悠々とした響き合いです.

この酒のために黒毛和牛のすね肉を1キロ近く奮発して、ポトフを作り、ボルシチを作り、して楽しんでいます.このあと2週間お麩の卵とじ、とかネギとモヤシだけで過ごすはめになってもわたしは後悔しません.夫も同じ考えだろう...と思います.そうであって欲しい.たぶん大丈夫....

「明日は死ぬかもしれないんです.今の、この、松の司を味わいつくさなくってどうするんでしょう?ね」っていうと、「そういう奴ほど絶対死なない、特にあなたはダイジョーブ」って言われます.

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月曜日

月曜日が定休日です.日頃晩酌もかねて料理と酒の相性はチェックしていますが、何せ油煙&お客さんのタバコの煙に責め立てられた後ですから感度はかなり低下しています.本気のチェックはやはり月曜日になります.

佐久の花 純吟無濾過生 兵庫産山田錦特等米55%精米.alc.16〜17°
2007.4製造
鋭く差し込むような辛みと麹香が、ミントやタイムのようなハーブを連想させる.戻り香にふわりと果実様の甘さがひるがえるが、キレはあくまでも潔く、口中はさわやか。中〜軽ボディ.穴子やコチの天ぷらを抹茶塩で食べるのなんかよさそう。やや夏向きのキャラか.東条の米によくある、くどいほどの艶やかさはないので、別の地区の特等米かもしれない.

松の司 純吟ひやおろし 竜王産山田錦55%精米 alc.16.4° 2007BY日本酒度:+3、酸度:1.4㎖、酵母:金沢 2007.9製造
甘い含み香に覆いかぶさるようにスパイシーな辛さがかぶってくる.まだ、若く、エッジがたってる.
キレは早く、ボディは中〜軽.牡蠣...生牡蠣よりはカキフライがよさそう.川エビの素揚げもいいかもしれない。

亀甲花菱 純吟秋あがり一つ火無濾過原酒 山田錦50%精米 alc.17~18° 2007.9製造
原酒らしいびしっと力強いインパクトに続いて、潤いのある甘さとバランスの良い酸味.余韻に骨太な苦みが横たわり、ドイツ美人、といった趣のフルボディ。肉、豚肉が食べたくなる。一センチくらいの厚さにロースを切って生姜焼き、焦がしネギを添えて.あるいは、塩味のきちっと効いたサルシッチャ(イタリアンソーセージ).そうだ、鴨肉の朴葉みそ焼きなんかもいいかもしれない。

房島屋 純吟ひやおろし 福井産五百万石50%精米 alc.16~17°日本酒度:+5、酸度:1.8㎖、2007.10製造。
開封後1週間ほどたっている.瑞々しく滑らかな口当たり.ふくよかな穀物香、ドライフルーツのような濃縮感のある甘さが気配として見え隠れする.全体としてはのどかな甘みに紬のような触感の苦みが乗る.余韻は短め、中〜軽ボディ.
封切りはエビ入り生春巻きとか、青パパイヤサラダなんかがいい感じだったが、今日のような感じなら、味わい的には里芋の田楽、ブリの照り焼き、触感で言ったら、つくね串、などが合うかもしれない.

わたくしの権限、能力では店に入れられる酒の量がかぎられており、今月のおすすめ選びはかなりシビアにならざるをえない。くやしさを、♪入れたい酒ならどれくらい〜後から後からあふれてく〜私のこ〜ころぉ欲張りだっわぁ〜♪(工藤静香ふうに)と歌って紛らわせている今日この頃...。

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ドメイヌ.ソガ再び

今日、店用の定番商品を買いに都内まで遠征してきました。その店はもともと小布施ワイナリーの商品を扱っている店でしたので、「この前ドメイヌ.ソガの日本酒飲んで感動しちゃた〜」と言ったら、「日本酒、ありますよ、」と、あっさり言ってのけるではありませんか!もちろん定価です。この価値を思うと、恐ろしくてここでは書けません。

私はこの酒の運んでくる静けさが好きです。

ぴた、と時間さえ止まるような静けさです。

私が飲んだものは美山錦2006の生酒を飲食店側で独自に寝かせたものでした。今日私が手に入れたものは9月出荷の瓶燗ものです。以下、裏ラベルの内容をそのまま転載いたします。

ドメイヌソガ ミヤマニシキ 2006 
仕様 純米吟醸原酒。3〜4月蔵出しは生酒生酒売り切れ次第、瓶火入れ酒。
酒米 自社農場産美山錦100%使用 
田名 エンドコ(小布施町矢島沖付近)
精米歩合 59%現代的な高精白を避けて、米の旨味を表現する酒を作ります。
水 小布施から採取される無加工水
酵母、麹 協会7号(今後、蔵付き酵母の率を高めていきます)氷上吟醸用麹
日本酒度+3 
栽培&醸造 小布施ワイナリースタッフ
栽培 詳細はホームページをご覧ください。

ワインメーカーが趣味的にごく少量作り上げる「採算を無視した酒」が小布施蔵です。無濾過、無炭素剤、無除酸でボトリングしています。

日本酒作りは農業。SAKEにテロワールを語る時が来たのです。小布施蔵は長野産美山錦のみをストイックに追求するブルゴーニュワイン的発想の蔵。年間生産量は40石、日本最小の蔵に属します。この酒は決して欧州文化に迎合する酒を作りたいのではなく、ワインと文化比較しながら、アイデンティティを持ち合わせた私たちのあるべき姿を模索していくための材料としていきます。
アルコール度:15〜16% 日本酒度+3 酸度:1.8前後

以下、蔵の所在地が記されています。

信州産の美山錦にこだわった、おいしい酒蔵はほかにもいくつかありますが、酒自体が山の神、田の神の宿る神籬となっている例をこれ以外に見たことがありません。不思議です。どの蔵もそれぞれの仕方でがんばってるみたいなんですけどね。人間がいくら精進潔斎しても選択権は神様の方にあるので仕方ないのかもしれません。お会いしたことはないけれど、多分、このソガチームは、馬鹿は馬鹿でも、聖別された馬鹿集団なんだとおもいます。

こてこてにワイン風のボトルに、「おいおい、ベタだなぁ」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、味わいも、キャラも全く違うのに、この酒が運んでくる静けさは、鷹勇山廃純米吟醸10年古酒の燗酒と同質です。

ブルーノ.タウトが『忘れられた日本』の中で伊勢神宮を賛美して、純真な形式、清新な材料、簡素の極地に達した明朗開豁(めいろうかいかつ)な構造、と、述べたのと同様の美質がこの酒にはあります。
がむしゃらに探し求めるべき酒ではありません。であえる運命なら出会う酒だと思ってください。
出会えたなら、つべこべ言わずに買ってください。そういう酒です。

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ドメーヌ.ソガ

昨夜、都内某所に修行にいきましたが、そこで非常にエレガントな酒に出会いました。

『小布施ワイナリー』は国内で本格的なビオ.ワインを作ってる希少な醸造所。
http://www.obusewinery.com/
そこが自社田で栽培した美山錦だったかな?で、年間20石だけ日本酒を作ってます。ワインと同じようにドメーヌ.ソガのラベルで製品化してらっしゃいます。ヴィンテージは忘れました。

立香はさほどありませんがすばらしい質感です。しっとりとなめらかな感触が上質な絹のスカーフの様な快適な重みを伴って滑り込んできて、最後は自重でするりと跡形もなく引き込んでいきます。

甘みの質感は明るい色の蜂蜜のような滑らかさです。旨味や酸味やアルコール度といったほかの日本酒の味わいの要素のすべてがこの魅力的な甘さを引き立てるのに最適な強さでとけ込んでいます。

何かただならぬものを感じてしまいました。困るなぁ、こういうものを飲まされると。行きたくなっちゃいます。日頃はどうしても自分の料理か店の料理と一緒に進んでいただける酒という観点で味をチェックしてしまいますし、「少し破綻がある方がおもしろい」などとうそぶいていますが、たまにこういう酒にであうと、「あぁ、やっぱり私、贅沢するのほんとは好き」と思ってしまいます。

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月山、小左衛門特純、亀甲花菱純吟山田錦

業務用冷蔵庫を買ったら気が大きくなっちゃって、じゃんじゃん大人買いしてじゃんじゃん飲んでたら、久々に学生時代並みの金欠です。これで、給料日前に本当に大地震がきたりしたら困るなぁ、と心の中で思いつつ、災害時用非常食(うちは乾パンなんて芸のないものじゃなくて、干物や漬け物や粉類が充実しているのです。)で食いつないでいますが、こういうメリハリのある生活も楽しいね、と、ゴウジャスなお酒で粗食をカバーしています。

今飲んでいるのは島根県安来市、吉田酒造の月山:純吟(佐香錦55%精米)日本酒度+8.5、酸度1.8.ライチやランブータンのような南国の果物を思わせるワイルドな甘い香り、あじはきれます。からいです。でもアルコール度は15〜6度なので、口当たりは瑞々しいのですボディも軽いです。
夏向きの酒かなぁ、とおもいますが、サツマイモとタマネギとベーコンのとろとろ煮、などという究極の救荒食なんかとあうんですわ、これが。ベーコンには南国フルーツがあうものです。さつまいもやたまねぎを醤油味で煮込んだ甘しょっぱさに水口のシャープなボディの酒。とても自分がお米も買えない貧乏人だなんて信じられません。(『お米がないなら、日本酒を飲めばよいのに...』と、うそぶきつつ気持ちはマリーアントワネット。)

いまひとつは、岐阜の中島醸造の小左衛門:特純ひやおろし
いちごみたいな可憐な立香、含み香にかすかに香ばしいミルクカラメルの気配がのぞきます。ボディはたいして太くありませんが、よく解け合った酸と苦みが意外と男前なかんじ。
冷やなら爽薫酒、常温なら爽醇酒になりそうです。これが何に合うか?というと、キムチチヂミにあうんです。チヂミに入れておいしいのは酸味の出てきたキムチです。キムチの乳酸とアミノ酸のうまみと辛さが対比的に酒の甘さをひきだしてくれます。韓国料理は結構に甘い濁り酒とバランスするものですが、この組み合わせはもう一段洗練された軽やかなバランスです。

夫はこの二つがお気に入りですが、私の本命は埼玉騎西の清水酒造の亀甲花菱:純吟山田錦一回火入れの無濾過原酒です。秋上がり、と肩張りしてありますがまだやや若い。17度くらいの冷やできれいな米の香り。涼しくしなやかな酸味。燗...っていうほどじゃない27度くらいにあっためると、ぐっと味が澄んでくる...ということは2、3日常温保存しろ、ってことでしょうか。私は量が飲めないので、ちゃんとボディのある酒が好きです。なにをあわせようかなぁ...給料日前に飲み終わったりしないよう夫から隠さなくては..。

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ケーキと日本酒

今日はお茶の稽古日でした。お薄でしたから干菓子が出たんですがお茶をいただきながら、
「あぁ、マカロンが食べたいなぁ」などという雑念が湧いてきて、稽古が終わったら速攻で買いにいきました。

が、ガラスケースの中をのぞいてるうちに、そうだ、今夜は自分の誕生日じゃないか、ということに思いいたり、結局、オペラ【チョコレート生地の間にコーヒークリーム挟まってて、上にチョコがコーティングされて金粉が散らしてあるケーキ】を一竿買って帰りました。

で、今、夕飯のあとに食べ終わったんですが、このケーキがですね、若戎の純米酒とあうんですわ。
若戎の純米はきれいな熟成香(カラメルのような香り)と軽快な甘み、酸味が楽しめる酒ですが
この熟成香がカカオの香りをいっそう豊かにして、なおかつ酸味がクリームの重さをさら、っと流します。

も一つ、同じ醸造元の真秀のひやおろしとも合わせてみましたが、この酒はもう一段繊細な口当たりと、やはり引き込まれるような酸味を持った酒ですが、こちらは、ケーキの味わいをふっくら引き立てる感じで、繊細な響き合いが楽しめます。夫は純米、私は真秀との組み合わせがそれぞれ気に入りました。

綾菊や、千代の亀など、西日本の古酒ブレンドの酒には時々はっきりとカカオ香を感じることがあって、バレンタインの時なんか使えそうだなぁと思っていましたが、今日の組み合わせもなかなかでした。

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若戎

ひやおろしのいいのが出揃ってきましたね。9/27日、三重県の伊賀山中の蔵元、若戎酒造 さんでいくつか試飲をさせていただいてきました。 若戎さんの所は名古屋局の鑑評会では15年連続金賞を受賞したりする力のある蔵ですし、 伊賀地方での山田錦栽培の先駆者でもあります。

義左衛門:三重山田錦35%精米純米大吟醸/りんご、なし様のほどよい香り、とろみを感じる滑らかな甘み、旨味、そしてきれいな酸。余韻は穏やかでたなびく雲のように自然に消えていきます。
義左衛門:純吟/滑らかな口当たりにクリアな酸。かすかにカカオ&香ばしいカラメルの気配。収斂感のある後口で、純大吟より雄々しい感じ。
若戎:純吟/とろみのある口当たり、茸類を思わせる成熟した麹香のあと、爽やかな酸味と甘みが押し上げてくる。佳酒。
若戎:純米/香ばしいカラメル様の熟成香、甘みと酸味が勢いよく畳み込んでくる風通しのいい軽快なボディ感。
真秀:純吟ひやおろし/立ち香にかすかな乳酸系の香り、含み香はきりっとした麹香、落ち着いた口当たりながら、ぐうーっと引き込むような力強い酸が食欲をそそります。
秋の野/落ち着いた茸香、酸味、旨味がメインの枯れた展開ですが,滑らかな口当たりはどこか艶を秘めています。

どれも平均点以上の完成度をもっていると感じましたが、季節柄、真秀:純吟ひやおろしと、秋の野がいいかな、と思っておりましたら、店長も同意見でよかったです。 そんなこんなで、 今月は週変わりの利き酒3点セットと月間おすすめを統合して、『ひやおろし月間』サービスとして、 麓井の原酒ひやおろしと、真秀,秋の野の3点で、 お勧めせていただきます。

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松の司の利き酒

松瀬社長はとってもきれいな形の手をしてる方で、くるんくるんしている髪型といい、なんとなく社長さんぽく見えない方です。 美術学校に勤めてるとき、こういう人を何人か見かけましたので、私の人種分類座標軸の中では社長さん、ではなくアーティストに分類されてます。
アーチストですから俗人がするようなタイプの気づかいはなさらないかたで、私はこういう方といると気が楽です。
なんでこんな話をしてるかって言うと、気が楽すぎてつい油断しちゃうんですね。 田んぼの見回りが終わって、お弁当をごちそうになって、お邪魔しました〜、と社員さんに近江八幡まで車で送っていただいたのですがもうほとんど駅、というところまで来て、
「そういえば、利き酒とかなさらないんですか?」
「あ。そういえばしてないですね、もちろんよそではしてますよ」
「そ〜デスよね、早くお尋ねすれば良かったですね、社長そういうこと聞きませんもんね」
「聞かなそうですよね」「どうします、お時間大丈夫だったら戻りますけど」
「戻ります。そーいえば、ひやおろしがあったら買ってくるように言われてるんでした。」
と、いうわけで20分ほどの道のりを戻っていただいて(感謝!) 結構な種類を利かせていただいてきました。
特別本醸造/軽快な甘さの裏にピリッとした刺激が隠れていて甘酢生姜を連想します。
純吟、楽/バナナを思わせる香りに滑らかな酸が伴ってます。
山廃純吟/滑らかな口当たりのあと、上新粉を思わせるかる〜い膨らみがつづき、からりときれます
あらばしり/火入れの香りでしょうか、ホクッとした蒸かし芋の香りがします
07BY純吟中取り、竜王雄町55%精米/梨の香り、クリーミーでしなやかな感触、穏やかなきれ
06BY竜王山田錦青ラベル/滑らか、押し、張り、良。い〜い感じ。昨夜、近江牛のステーキを塩とワサビで食べたんですが,合うんですよねぇ、これがまた。 肉の甘み、ボディ感と酒の張りが互角です。それでいてワインのような酸味によるリフレッシュとは違う、倍音を楽しむような響きあいがあります。
AZOLLA/撓りのあるワイヤーのような質感、細めの甘みに,ホットな余韻が残ります。
心酔/カマンベールを思わせるクリーミーな吟香、若いバナナのような滑らかな甘さと酸味、フカッとしたパウダリーな戻り香。様々な質感がコラージュされた面白さ。
05BY東条山田大吟40%精米、陶酔/ややエッジがある。
06BY東条山田純大吟40%精米/ブドウの香り、エッジあり、アルコール度もあり余韻は長め
05BY東条山田純大吟35%精米/まだ若さを残してる。針葉樹系のすがすがしい香味、味の要素は互いによく馴染み端正な印象。

こうやって、わたしが入り口わきの接客スペースで黙々と利き酒をしてたら、 社長が「なんか、本格的にやってるなぁ〜」と、の〜んびり言って通り過ぎていきました。 なんかやっぱりちょっと風変わりな人です。

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秀鳳

先日、上野の明治屋さんで薦められた山形県の秀鳳、雄町純吟生原酒、 封切りは「なんや、おとなしい酒だな、」 くらいの印象でしたが、4日経って良くなってきました。

ボディの太さは明鏡止水の特吟と同じくらいですが,明鏡のほうはほっそりと一筋に 口を抜けて行くのに対して、こちらは口にふくむとよく解け合った甘み、苦味、酸味が さーっと水平にる感じです。
データは、アルコール度17、
50%精米、
日本酒度はー1
酸度は1.6、です。
杏仁豆腐のシロップのような甘みのきれいさが特徴的で、なめらかでいながらとても軽やかです。 料理屋さんの定番としてはとても気分のいい酒だと思います。

追記;開封後12日目でこの記事を再編集していますが、この時点でどういうわけか麹の香りが出てきてます。また、糖分が切れてきた感じがします。麹の糖化酵素がせっせと働いているなら甘くなるはずですが、香りは麹で味わいはドライです。ここんと頃こういう変化を見せる生酒はこれで2回目です。冷蔵庫の温度設定のせいでしょうか? 村祐も、7日目で、開封時より辛めに利けるようになりました。いいのか悪いのか分かりませんが、店の冷蔵庫ではこういう変化を見せる、と頭に入れた上で商品を選ぶ必要がある、ということでしょう。

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